優しさが足りないのか。
病気になり、体の自由がなかなか効かない母へのお手伝いの一つに買い物がある。
ちくわ一つとっても「かねてつ?あかん。はごろも?違う。別寅じゃないと!」と文句をつける母。
病人相手だと思って堪えてはいるが「ちくわなんかなんでもええやんっ。」と、内心イラっとくる私。
私は車が運転できないので、週末ごとに時間を割いて手伝ってくれる夫への申し訳なさも募る。
。。いや。
夫への申し訳なさも勿論あるけど、正直に言うと「本当は自分の好きに時間使いたいのに、お母さんに時間取られて、その上わがまま言うなんて。いい加減にしてよ! 時間割いてあげてんねんからもっと遠慮しいや!」と、私が心のどこかで思ってるのだ。
その感情に向き合うと「私はなんて冷たい人間なん!困った時はお互い様。お母さんは私を育ててくれたんちゃうの?」と、まさによくあるコントの「天使と悪魔」のようにせめぎ合いが始まる。
で、結果「やはり私には優しさが足りないのかな」と。
自分が冷たい人間だと認識し受け入れるのは結構つらい。だから今日もお手伝いに行くが、自分に正直でもなく、人に優しくもなく、宙ぶらりんな自分に嫌悪しながら出かけることになるだろう。
外は快晴だというのに。