奈良市中の混沌
用事があって、最近近鉄奈良駅周辺を中心に、奈良市中を歩くことが多い。
実家は奈良市に比較的近く、独身時代は近鉄奈良駅が通勤通学の乗り換えポイントだったので、30年以上馴染みのある場所だ。
世界遺産の東大寺、興福寺、春日大社などがあり、昔からで観光客賑わっていた。
が、昨今の賑わいはケタが違う。
大阪、京都ほどではないにしろ、インバウンドの観光客がここ数年、一気に増えた。
私の体感では5倍ぐらい。
元々近鉄奈良駅周辺は、まさに「大仏商法」で、飲食店などのお店の店員たちは恐ろしく愛想が悪かった。
それでも修学旅行生や寺社好きの方々が大勢訪れてたし、単純に住民や周辺都市からの、買い物などの「お出かけ客」もたくさんいた。
が、あれは15年前ぐらいだろうか、久々に出向くと、あれっ?と思うほど閑散としていた。
奈良市近郊にも大きなショッピングモールがいくつもできて、中にはシネコンもあり、フードコートも充実していて、リーズナブルな価格で一日中過ごせるとなれば、近郊の買い物客はそちらへ集中する。
少子高齢化の影響か、国内の観光客も明らかに減った。
駅近商店街の、恐ろしく無愛想で、私が食べてる途中に平気で掃除を始めたお寿司屋さんもいつのまにか消え、安定して残ってたのは、立地がかなり良いお土産物やさんや、かなりの老舗や、有名ファストフード屋さんで、あとの店は入れ替わりが頻繁になった。
無愛想で偉そうな奈良の店員たちに怒っていたものの、次々と知ってるお店に消えられるとそれはそれで寂しいような…と思ってたのも、今思えば束の間。
ここ5年ほどで一気に外国からの観光客が増えた。
この逆転劇は全く想像できなかったな(^_^;)
商店街や奈良公園に活気が戻り嬉しく思ったり、ふと「日本は安く買われる国になったのか」と切なくなったり。。
とにもかくにも今日の奈良も、テレビで見た原宿のような人の多さで、横から東京の修学旅行生らしき女の子の「ねえ、何食べよっか〜、迷っちゃうね!」という可愛い声が聞こえたかと思うと、反対の横から「ほんでな、あそこのお店嫌やわ〜」と中川家のコントのようなおばちゃんの声が聞こえ、前からは英語、後ろからは中国語が聞こえ、ここはどこ?とつぶやいてしまう程混沌としていた。
街も日々変わっていくんやね…と、物思いにふけりつつ、こういう混沌、悪くないなとも思い、また混沌を楽しみに奈良に出向こうと思ったのでした(^^)