あらほうしブログ

好きなお笑いの事と日々の雑感を綴りたいと思ってます。

アキナ山名くんの書くネタ

 

なんで山名くんの書くネタはあんなにペーソスが漂うんだろう。

 

「文藝芸人」に載っていた書き下ろしも、高校生の日常が描かれていて、大きな悲劇はないのに、全体的に物悲しい。

 

去年のキングオブコントは、にゃんこスターの次の出順という「悲劇」に見舞われたが、ネタ自体はペーソスというより猟奇的、というのが第一印象だった。

 

しかし何回が見直すうちに、あのネタがだんだん物悲しくなってきた。

 

常人には理解できない言動をしてしまい、次第に周りの人達が遠ざかっていく。

 

本人は周りと仲良くしたい。だから自分を避け始めたバイト仲間に、言動に気をつけるから仲良くしてほしい、と懇願した直後、こう言ってしまう。

 

「秋山くんって、名字なに?」

 

最初怖かったこのオチが、今は悲しくて仕方ない。

 

本人にはまるで自覚がないのだから。

 

この人物はこの先ずっと、こういう事を繰り返して生きていくしかないんだろうか…。

 

これは「お金がない」とか「勉強ができない」とかを、はるかに超越する悲しみを含んでいて、架空のコントと言われてもつらくさえなってしまう。

 

ところで、アキナ結成前、山名くんがトリオ「ソーセージ」で活躍していた頃の彼らのネタは、もちろん全部覚えてる訳ではないけど、こういう物悲しさを感じる物はあまりなかった記憶がある。

 

以前、ネットのトーク番組で、山名くんは

「3人組になっていろんな設定ができるようになり、最初ネタがどんどん思い浮かんでいったのに、解散前はだんだん書けなくなってきていた」と言っていた。

 

全くの素人なのに「すごくわかる!!」と思ってしまった。

 

縛りがきつい方が、より自分の世界を投影する方に注力できる気がする。

 

昔、麒麟の川島さんも

「コントの方が自由だから最初コントを志向したけれど、縛りのある漫才の方が、実は色んな表現ができると気付いた」という旨の発言をしていたっけ。

 

ソーセージ解散は、彼らにとって青天の霹靂だったけど、コンビになる事で、山名くんはより自分の世界観を強く投影できるネタを作れるようになったのかもしれない。

 

人気者になって日々多忙に活躍しているアキナ、今年のキングオブコントはどんなネタを見せてくれるのか。

 

そして去年は予選敗退したM-1も。

 

生で見た彼らの、万人に伝わるように丁寧に伝えようとしていた漫才を私は忘れない。

 

今年も大きな期待を寄せています!