現代版、長屋王の呪い?
血筋が良いだけでなく、政治家としての能力も高かったらしく、時の政治を主導するにまで至っていたが、対立する藤原四兄弟に諮られ、自殺に追い込まれたと言われている。
その後、藤原四兄弟は政治の主導権を握るが、流行病で次々と倒れる。
時を経てバブル真っ只中の世に、奈良に百貨店のそごうを建てる計画が立ち上がる。
工事に入ると、奈良時代の木簡などが多数発見され、そごう建設予定地が長屋王の屋敷跡だった事が発覚した。
貴重な発見ゆえ、工事をストップして本格的発掘調査をすべき、とする動きもあったが、そごう側は結局は工事をごり押しして建設してしまった。
出来上がった奈良そごうはゆったりとした作りで、内装もなかなかにラグジュアリーで、私は大好きなデパートだったが、そごうの破綻とともに閉店してしまった。
これが現代版「長屋王の呪い」と近隣では言われているとか、いないとか…σ(^_^;)
まあでも、冷静に考えて、時代の流れかな。
バブル以降、日本の国力は坂道を転がるように落ちていき、当然、国民の購買力も低下した。
価格帯の高い品々を揃える百貨店は、どこも苦しくなってしまった。
そごうの跡地には、長い空白の後、イトーヨーカドーが入ったが、これも続かず、今はミナーラという複合施設が入っている。
元自邸のあった場所にある店舗が、正直だんだんグレードが落ちてきている様に、あの世から長屋王はどのようにご覧になっているだろう。
奈良時代の政治家として、今の政治、経済の無策に、相当腹を立ててらっしゃるのでは、と、思えてならないのだった。