あらほうしブログ

好きなお笑いの事と日々の雑感を綴りたいと思ってます。

酒乱とM-1と、上沼さんとミソジニー

 

前にも書いたと思うが、お酒を飲んで暴言を吐いたり暴れたりする人を「普段はいい人なのに、お酒のせいで」と、まるでその人の人格は全く悪くなく、全部お酒のせい、とかばう人がいまだに結構いるが、それは絶対違う。

 

暴言を吐いたり暴れるのがその人の本性で、普段は巧妙に隠している卑劣な人だ。

 

お酒のせいにされたら、お酒が可哀想だ。

 

もしその人の人格が素晴らしいのなら、お酒で一度でも失敗した時点で、すぐにお酒を断つはずなのだから。

 

酒乱の叔父はお酒が入ると妻や娘を殴りまくったが、1人でも男性が現われると一瞬でおさまった。

 

この叔父や、叔父ほどではないがお酒を飲むと人格が変わる人に共通するのは、普段気の弱い八方美人で、しらふの時から相手を見て態度を変える傾向が若干あった。

 

M-1の採点方法が気に入らなかったのか、お酒を飲んで上沼恵美子さんに暴言を吐いた、とろサーモン久保田さんとスーパーマラドーナ武智さんは、普段どんな方なのかは知る由もない。

 

しかし普段からああいう事を思ってるんだろう。

 

男尊女卑の日本の中でも、芸人の世界はより男尊女卑が強い。

 

お笑い好きで、芸人さんのCS放送やラジオまでフォローしている私は、ずっとそれをひしひし感じていた。

 

女性が好む漫才や漫才師を揶揄する発言を今まで何回聞いた事だろうか。

 

そしてネタだけを見てもわかる。

 

いまだにプロポーズの言葉は「お味噌汁を作ってください」だったり(インディアンス)、「お弁当を作るのは女の子の仕事」だったり(和牛)、「芸人を支えてくれる嫁がほしい」から結婚したい、だったり(見取り図)する。

 

結婚しても、自分は、料理する気も、妻の仕事を支える気もないらしい。

 

今現在でこの体たらく。

 

上沼さんは40年以上前の、もっと露骨な男尊女卑の中で芸人を続け、ゴールデンに冠番組を持つまでにのし上がってきた。

 

どれほどの苦労を味わってきたのだろう。

 

仕事で忸怩たる思いをした日も多々あったと思うが、久保田さんや武智さんのように仕事の後に仲間たちとお酒を飲んでクダを巻く事もできなかっただろう。

 

なぜなら上沼さんは芸人をしながら、家事も子育てもしなければいけなかったから。

 

仕事の間は母親に子どもを預けてたらしいが、長々と預けられないからいつも急いで帰ってた、というエピソードを本人の口から聞いたことがある。

 

しかし愚痴る事も許されなかったに違いない。

 

「嫌ならやめれば?」と言われるに決まってるから。

 

私は正直、上沼さんの笑いの取り方が好きではない。

 

が、色んな抑圧をはねのけてここまでになられた事に、心からリスペクトしている。

 

久保田さんや武智さんが、上沼さんの採点方法に不満を持つのは勝手だけど、上沼さんが男性だったら同じように言っただろうか。

 

ほぼ女性特有の病気をあげて上沼さんを揶揄した行為は、単なるミソジニーだと思われても仕方ない。

 

こういうミソジニーのせいで、今まで何人の女性が潰されてきたのだろう。

 

上沼さんがもし、この発言で審査員を降りる事があれば、また一人潰される事になる。

 

もう嫌だ。

 

「上沼さん以外の人がこの発言に怒る事はおかしい」という意見を読んだが、この発言が「批判」ではなく「女性差別」だという事にすら気づいてないのかと、暗澹たる気持ちになった。

 

優勝した霜降り明星も気の毒だ。