人生で一番笑いを取った日
それは次男が幼稚園の時。
卒園を控えた次男たち年長組の子ども達へのお祝いと、お世話になった先生方に感謝を伝えるための、PTAの保護者達が主催した「お楽しみ会」的な、毎年恒例の会でのことだった。
保護者有志が、踊りを踊ったり小芝居をして、園児と先生方を楽しませるのだが、会を仕切る担当の保護者から、当時PTA会長だった私に「時間が余ってる。あと一つぐらい出し物がほしい。」と相談があった。
予定のプログラムを見てみると「お笑い」の要素が皆無だった。
これはお笑い好きとしてなんとかしなくてはいけない!
周りにお笑い好きがなかなかいない中、唯一見つけたお笑い好きの保護者を誘って、当時大流行していた「当たり前体操」のコピーをすることになった。
最初は当たり前体操の枠だけ借りてネタを自分達で考えようとしたが、まあ、思い浮かばない(~_~;)
なんとか作ってみたものの、ことごとく本家COWCOWさんのネタには及ばない。
やはりプロはすごい!という「当たり前」のことに気付いた私達は、諦めてコピーすることにした。
その代わり出来るだけ完璧にコピーしようと、近所の中学生から制服を借りて似た衣装を用意し、髪型もできる限り似せ、何よりDVDを買って何回も見て稽古した。
そして当日。
ドカン!!!!!! と、ウケた!
冗談抜きで床がぬけるのではないかと思うほどウケにウケて、次のプログラムに行けないほど、ずーーーっとウケ続けた!
後にも先にも人生でこんなにウケた事はない。
この時、生まれて初めて、自分のやったことで何十人もの人が一斉に笑うのを見た。
この瞬間
私は本当に本当に嬉しかった。
温かい気持ちがじわっと広がった。
端的に言うと「最高!」だった!
この笑顔をずっとずっと見続けられたらいいのにと思った。
生まれて初めて、お笑い芸人になりたいという人の気持ちが実感としてわかった。
芸人さん達はきっと、この瞬間を何度でも感じたくて、バイトをしながらでも懸命に頑張ってるのではないだろうか。
私達はCOWCOWさんの力で笑いを取ったけど、自分が考えたことを自分で表現してウケるってどんな気持ちなんだろう、などと思うと、あれ以来、ちょっと芸人さんが羨ましく思えてしまうのだった。